B面の彼女たち

京セラ美術館コレクション展「女性が描く女性たち」を見た。
全体的にとても好きな絵が多かったのだが、特に惹かれたのが、梶原緋佐子が描く女性たちだった。
 
他の絵は、若くて裕福そうな女性をモデルにしていることが多いのに対し(それでもステレオタイプじゃない姿が新鮮!)彼女の描く女性は、ある程度成熟しており、貧しいとまではいかないかもしれないが、庶民ぽく働いている様子の人が多い。
 
気を張った表情の女芸人、楽屋に控えている女性は疲れを滲ませ足を崩す。夕方の停留所で傘にもたれかかる女性は、一日中歩き回って疲れても迎えにきてくれる人はいないのかなと邪推。
 
これらは人に見せようとする面とは反対、いわばB面の様子だ。でも彼女たちは美しいと感じた。そのことが同じ女として胸がすく。
 
そして、例え暮らしは楽じゃなくても、自分で足を踏ん張ってしぶとく生きているのであろう姿に共感というか励まされる部分があった。(私と違ってやむにやまれず働いていたり、好きな道に進んでいるのではないかもしれないが)
 
また、女芸人は衣装だから別として、シックな色の組み合わせの着物も大人っぽく、とてもかっこよかった。