自転車の鍵は開かないと困るが、いざという時は壊せないと困る

自転車の鍵が壊れた。
スーパーから帰ろうとして、後輪につけたリング式の鍵の鍵穴に鍵を入れ、回そうとしたがびくともしない。しばらくなんとか開けようと頑張ってみたがだめだった。

幸い、自宅から徒歩五分くらいの所だったので、自転車を置いて、ひとまず買ったものを持って帰って冷蔵庫に入れた。
そして予備の鍵と、ピンク色の薄い紙を持って、再びスーパーの駐輪場へ。

やはり鍵を変えてもびくともしない。こうなったら運んで帰るしかないと覚悟を決めた。
いつの間にかすっかり暗くなっている。せっかく早めに帰れた日だったのにがっかりだ。
正面には明るいスーパーの店内が見える。一応、こちらを見ている人がいないか確認して、自転車を持ち上げた。泥棒と間違えられた時のために、防犯登録の紙を持ってきたので、きっと大丈夫。でも恥ずかしい。十メートルくらい移動して、一旦下ろす。重い。
路地で、横を自転車に乗った人たちがスイスイすり抜けてゆく。夕涼みをしているお婆さんが不思議そうにこっちを見ている。何をやっているんだろうと思いながら、十メートル運んでは下ろして休みということを繰り返し、何とか持ち帰った。

その後、鍵の凹凸を鉛筆でなぞるとか、輪っかの繋ぎ目を奥まで突っ込んでから鍵を回すとかやってみたが、だめだった。
結局鍵は工具で切断。ダイヤル式のリング錠を新しく買った。
そのリング錠は前のものより太く硬い素材なので、多分今回の工具は使えない。(これも買った)開かなくなったら、次こそどうしようと少し不安だ。

鍵だから壊れると困るのに、いざとなったら壊せそうかも気にしないといけないなんて本当に難しい。