一人サマータイム

間違えて一時間早く会社に行ってしまった。

始業時間を五分過ぎても、人が来ないのでおかしいと思い、時計を見ると八時五分で、パソコンの時計を二度見した。

今日は八月九日で、多くの人が、盆休み前の最終出勤日だ。
それにもかかわらず、通勤途中あまりにも人が少ないので、もうみんな休みなのかとひがんだ気持ちになっていた。いつの間にそんなにホワイト企業化が進んだのだろうかと。とんだ被害妄想だ。

お盆が近くなって急に忙しくなり、毎日へとへとだ。仕事中も普段もすべてを急いでいて、いったい自分は何をやっているのかと思う。
昨日も仕事、家事、その他いろんなことが押した結果寝るのが遅くなり、悲しい気持ちで床についた。せめて限られた睡眠時間をフルに熟睡したい。なのに、一時間早く起きて仕事に行ってしまった。
しかもいつもより寝坊したと思って、パンも焼かずカロリーメイトを頬張り、紅茶も入れず飲み残しのペットボトル飲料を飲んで朝食を済ませた。ゆっくり食べる時間があったのに。
もっと寝たかったし、ゆっくり朝食を摂りたかったと誰もいない職場で悔しがった。

そこに、いつもものすごく早く来ている人がやって来たので、時間を間違えたことを話すと、早い時間の方が涼しいからいいのだという励ましらしい言葉をかけてくれた。
ちょっとズレているような気もしたが、なんだか気が晴れた。そこで気持ちを切り替えて、ずっと出来ていなかった仕事を片付けた。おかげで、今日はほぼ定時で上がれたので、結局めでたしなのか?