冷蔵庫を動かす

冷蔵庫は自分一人では動かせないと思い込んでいた。
しかし最近相次いで冷蔵庫の周辺の隙間に、色々と落としてしまい、いよいよ困ったときに、ふと持ち上げてみたら動いたので驚いた。


でも、そりゃそうだ。うちの冷蔵庫は、2ドアでそんなに大きくない。中身も大して入っていないし、そんなに重いはずがない。同じ大きさの家具だったら、そんなことは思わないのに、冷蔵庫は自分でどうにもできないような気がしてしまっていた。

動かせるとわかった時は、平日の朝だったので、ひとまずそのままにした。そして、休日の掃除のタイミングで、しゃもじと、箸の救出にかかった。


ホコリでいっぱいの冷蔵庫下に手を入れて、冷蔵庫の前方を持ち上げ、左にスライドさせる。ガス台との隙間に落ちた箸があった。多角形の木製の箸。三日振りの再会。
次は、後方に落ちたしゃもじの救出にかかった。
まず冷蔵庫全体を手前に引き出す。左側は、奥行二十センチくらいの壁と、アコーディオンカーテンがある。そのわずかな壁がジャマでもどかしい。足が下敷きにならないように気をつけながら、手が入りそうな隙間を作ると、壁に75度くらいの傾斜で横になりもたれかかっていた、しゃもじを発見。こちらとは、1ヶ月振りくらいの再会である。


もう引越しするまで会えないと思っていた。持ち手のところに厳島神社と書いてあり、かなり年季が入っている。元々実家で使っていたものだ。


この一ヶ月間は、木のレンゲをしゃもじがわりに使っていたのだが、濡らしても濡らしてもご飯粒がひっついて、ものすごく使いにくかった。またこのしゃもじが使えるようになってすごく嬉しい。